骨粗しょう症とは骨の密度(骨量)が小さくなり、骨がもろくなる病気です。
高齢者、特に閉経後の女性に多く起こりますが、患者数は高齢化に伴って増加しており、1100万人にのぼると推定されます。
初期には自覚症状が少ないため気づきにくいとされていますが、症状として腰や背中に慢性的な痛みを生じ、背骨の圧迫骨折や手首や下肢の付け根(大腿骨)の骨折が起こりやすくなるのが問題となります。
高齢者に多く起こるので、骨粗しょう症は老化現象であると思われますが、単なる老化現象ではなく、その上に栄養不足や運動不足などの様々な原因が加わって起こる病気です。ここでは、骨粗しょう症に対する予防やその段階に応じた対策について説明します。
成長期の最大骨量が多い人ほど、高齢になっても骨粗しょう症になりにくいとされていますので、骨量が増える成長期のうちにカルシウムを十分とって、よく運動して最大骨量を高め、その後はそれを維持することが大切です。
骨粗しょう症は圧倒的に女性に多く、更年期に起こりやすくなります。その原因は女性ホルモンエストロゲンの減少です。更年期になるとエストロゲンの分泌が減って骨量が減り、骨粗しょう症が起こりやすくなりますので、更年期の女性は特に注意が必要です。
骨粗しょう症の予防、対策としては、まず、食事を考えることが必要です。カルシウムをしっかり取ること以外にもビタミンDやビタミンK、たんぱく質等をバランスよく取る必要があります。
次に運動も大切です。適度な運動が骨を強くしますので、年齢や体力に応じた適度な運動をしてください。
また、ビタミンDは食事で取る以外にも皮膚が太陽の光を浴びることで作られますので、軽い日光浴も効果があります。強い紫外線に注意して、夏なら木陰で30分、冬なら1時間を目安に適度な日光浴をしましょう。
骨粗しょう症による骨折の危険性は薬物療法で軽減できることが分かってきました。最近では内服薬だけではなく、注射薬も様々なものが開発されています。治療薬には様々な作用や特徴があり、病気の要因や病態により種類が選ばれますが、医師と相談しながら適切や治療薬を選んで治療を進めていく必要があります。
以上、簡単に骨粗しょう症について説明しましたが、詳しいことは医療機関でご相談され、いつまでも強い骨を保つように心がけて下さい。
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