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毎年、2月に入ると花粉症で通院される方が増えてきます。最近では花粉症の方は花粉が本格的に飛散する前より治療したほうが良いとの知識が広く伝わっているので、早目に治療を希望して来院される患者様が増えているようです。実際には、毎年2月中旬以降よりスギ花粉症の症状がひどくなる傾向があるので、本格的に花粉が飛散する時期より1〜2週間前の2月上旬より治療を開始するのが良いと考えます。

花粉の飛散の時期は、地域によって違いますが、近畿地方ではスギが2月中旬〜5月、ヒノキが3月下旬〜6月、イネ科が5月〜10月、ブタクサが8月〜10月、ヨモギ・カナムグラが9月〜10月とされており、長い期間にわたって様々な花粉の飛散があります。そのため、自分がどの花粉アレルギーなのかを理解して対応する必要があります。アレルギー検査で採血により原因となる花粉抗原(アレルゲン)を調べることが出来ますので、医療機関で相談してください。

治療内容については、症状に応じて薬の組み合わせを変えていくのが一般的です。薬の種類は次の通りです。

第1世代および第2世代抗ヒスタミン薬 : 第1世代の副作用を改良したものが第2世代です。第2世代では効果はマイルドで即効性は弱いが眠気は少なくなっています。また、効果の持続性も長くなっています。

ケミカルメディエター遊離抑制薬 : 効果はマイルドで、効果発現まで時間がかかり、十分な効果が出るまで2週間ほどかかります。眠気もなく、副作用は比較的少ない薬です。

抗ロイコトルエン薬 : 副作用は比較的少なく、他の抗アレルギー剤と併用されることが多い薬です。特に鼻づまりに有効です。

鼻噴霧用ステロイド薬 : 鼻に直接噴霧します。効果は強く、効果発現も比較的早い薬です。全身の副作用も少なくなっています。

内服ステロイド薬 : 副作用の問題もあり、ガイドラインでは重症例に1週間に限りステロイド薬の内服を行うとされています。また、筋注ステロイド薬は月経異常や筋の萎縮が認められることもあり、通常の場合としては推奨できません。

花粉症の治療ガイドラインでは初期療法として、花粉飛散開始前あるいは症状発現前から第2世代抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエター遊離抑制薬、抗ロイコトルエン薬の服用が推奨されています。

実際には、軽症でくしゃみの発作が1日数回程度で鼻水の軽度の場合には第2世代の抗ヒスタミン薬を投与します。鼻づまりが強い場合には抗ロイコトルエン薬を第2世代の抗ヒスタミン薬に併用します。症状が強い場合には鼻噴霧用ステロイド薬も併用します。さらに症状が強い場合にはステロイド薬を短期間内服することもあります。

薬の使用上の注意点としては眠気が問題です。副作用の眠気をおさえた薬もありますが、車などの運転の際には注意が必要です。また、妊娠中は薬を使用できなくなることがありますので医師に相談してください。

治療について述べましたが、予防法も重要です。マスクや防止で花粉を寄せ付けないようにしてください。また、屋内に花粉を持ち込まないことも大切ですし、空気清浄機の使用も効果があります。


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