てんかん
てんかん

てんかんとは、脳の神経細胞が一時的に過剰な電気活動を起こすことで、「てんかん発作」を繰り返す病気です。有病率は約1%(100人に1人)と言われ、決して珍しい病気ではありません。発症のピークは小児期と高齢期の二つの時期にあり、最近は高齢になってから発症するてんかんが増えています。
「てんかん=けいれん」というイメージを持たれがちですが、実際には「数十秒間ボーっとして反応がなくなる」「短時間の記憶がすっぽり抜ける」など、けいれんを伴わない発作も数多くあります。近年は副作用の少ない治療薬が増え、適切な治療を続けることで、お仕事や日常生活への影響を抑えながら過ごせる方が多くなっています。
当院では脳神経内科の専門医として、診断と、患者様の生活に合わせた治療・サポートを行います。
てんかん発作は、脳のどの場所で異常な電気活動が起こるかによって、現れ方がさまざまです。以下のような症状も、てんかんが原因のことがあります。
てんかんには、脳卒中や脳腫瘍、感染症などの脳の病気や頭のケガ等が原因で起こるものと、画像検査で明らかな脳の異常が見つからないもの(体質や遺伝などによるもの)があります。
特に近年は、過去の脳卒中などをきっかけに高齢になってから発症するてんかんが増加しています。高齢の方では、「急にぼーっとする」「短時間の記憶が抜ける」といった発作が、認知症の症状と誤解されているケースも少なくありません。実際には、てんかんが原因であれば、抗発作薬で症状が改善することも多くあります。
てんかんと似た症状を示しながら、原因が異なる病気もあります。代表的なものに、起立性低血圧や不整脈などで一時的に脳の血流が低下して意識を失う失神、心理的な要因を背景にてんかんに似た発作が起こる心因性非てんかん発作があります。高齢の方では、一過性全健忘や一過性脳虚血発作(TIA)との区別が必要になることもあります。
これらを見極めるためには、丁寧な問診と必要な検査を組み合わせた診断が重要です。
てんかん診療において最も大切なのが問診です。発作の状況、持続時間、前触れの有無などを詳しく伺います。ご家族など発作を目撃された方からのお話は、診断のために非常に重要な情報です。もし発作の様子を記録した動画がお手元にあれば、あわせてお見せください。
診断には、脳の電気活動を記録する脳波検査や、脳の病変の有無を調べるMRI・CT検査が必要となります。これらの検査は当院では実施しておりませんので、必要に応じて連携医療機関に手配いたします。検査結果をもとに、診断・治療方針のご説明と、その後の継続的な治療を行います。
長時間ビデオ脳波モニタリングなど、より専門的な検査・治療が必要と判断される場合は、てんかんの専門施設へおつなぎします。
てんかん治療の目標は、発作を抑えるだけでなく、患者様が普段通りの生活を続けられるようにすることです。
発作のタイプや年齢、お仕事や生活スタイルに合わせて、抗発作薬を選択します。最近のお薬は副作用や他のお薬との相互作用が少なくなっており、高齢の方にも使いやすくなっています。お薬は自己判断で減らしたり中断したりせず、医師と相談しながら調整することが大切です。
運転免許の可否は、お仕事や生活に直結する切実な問題です。てんかんと運転については道路交通法でルールが定められており、原則として「意識障害を伴う発作が一定期間ないこと」が条件となります。当院では、法的なルールをご説明した上で、ご本人の状況に合わせて運転の再開や継続についてご相談に応じます。
薬の飲み忘れを避けることはもちろん、睡眠不足や強い疲労、過度な飲酒は発作の引き金になりやすいため、規則正しい生活を心がけることが大切です。
気になる症状がある方は、お気軽に当院の脳神経内科へご相談ください。
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