手足のしびれ
手足のしびれ

正座をした後のような「ジンジン」「ピリピリ」といった感覚の異常や、手足に力が入りにくくなる「運動麻痺」。一般的にこれらはすべて「しびれ」と表現されます。
しびれは、皮膚の感覚を脳に伝える「感覚神経」の異常と、脳から手足を動かす命令を伝える「運動神経」の異常、そのどちらか一方、あるいは両方が同時に起こることで生じます。
「痛み」で病院を受診する方は多いですが、「しびれ」も重篤な病気の症状として現れることがあります。しびれの原因は、障害されている神経の場所によって大きく3つに分けられます。
顔や手足への運動の指示や、皮膚からの感覚を司る脳の領域が障害されることで起こります。
代表的なものは脳出血や脳梗塞などの「脳卒中」です。脳は左右に交差して神経のやり取りをしているため、右脳に異常が起きると左半身に、左脳に異常が起きると右半身にしびれや麻痺が現れるのが特徴です。手だけ、足だけといった部分的なしびれにとどまることもあります。
数分〜数十分でしびれが消えてしまうことがありますが、これは「一過性脳虚血発作(TIA)」と呼ばれ、本格的な脳梗塞が起こる直前の「警告サイン(予兆)」である可能性があり、放置すると危険です。また、脳腫瘍の場合は、数週間から数ヶ月かけてゆっくりとしびれや感覚の鈍さが進行します。
首(頸椎)や腰(腰椎)の骨や軟骨が変形し、脊髄やそこから枝分かれする神経を圧迫することでしびれが生じます。
加齢に伴って首の骨がトゲ状に変形する変形性頸椎症、椎間板が飛び出して神経を圧迫する椎間板ヘルニア、神経の通り道が狭くなる脊柱管狭窄症などがあります。首や腰の痛みを伴うことが多く、特定の姿勢をとったり歩いたりすることでしびれが強くなることがあります。
脊髄から手足の先へと伸びる「末梢神経」がダメージを受けて起こります。原因は非常に多岐にわたります。
代謝の異常や、神経に栄養を送る細い血管の血流障害などが複雑に絡み合って生じます。両足の指先から「ジンジン」「ピリピリ」と左右対称にしびれが始まり、進行すると痛みに変わったり、手の指先にも広がったりします。
関節部分で神経が骨や靭帯に圧迫されて起こります。代表的な「手根管(しゅこんかん)症候群」は、手首で神経が圧迫され、親指から薬指にかけてしびれが生じます。夜間や明け方に痛みが強くなって目が覚める、手を振ると少し楽になる、といった特徴があります。
風邪や胃腸炎などの感染症にかかった後、数週間して手足のしびれや脱力が急速に進行する免疫関連の病気です。
偏食や胃腸の手術後などに、神経の働きに欠かせないビタミンB1、B12、葉酸などが不足することでもしびれが生じます。
適切な治療は、正確な「原因の特定」から始まります。
しびれが出た時期や部位、広がり方、持続時間、日常生活への影響などを詳しく伺います。ハンマーなどを用いた神経学的な診察で、感覚の異常や筋力の低下、反射の状態を確認し、しびれの原因が脳・脊髄・末梢神経のどこにあるのかを総合的に判断します。
糖尿病やビタミン不足、その他の代謝異常など、しびれに関係する可能性のある病気の有無を調べます。
「体の片側に現れるしびれと運動麻痺」など、脳の病気の疑いがある場合は、早急に専門医療機関へおつなぎし、脳MRIやCT検査を受けていただきます。脊椎の病気が疑われる場合も、適切な画像検査を検討します。
原因に応じて、しびれや神経の痛みを和らげる薬や、ビタミン剤などを使用します。症状の程度や経過を確認しながら、薬の種類や量を調整します。
糖尿病などの基礎疾患がある場合は、その治療や生活習慣の改善が不可欠です。必要に応じて生活指導を行います。また、手術が必要な脊椎疾患や手根管症候群などが判明した場合には、専門の医療機関にご紹介いたします。
しびれの中には、命に関わる重大な病気のサインが隠れていることがあります。以下のような症状がある場合は、早急に医療機関を受診してください。
その他、気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。
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