2026年11月04日

「夕方になると、頭全体が締め付けられるように痛む」
「首や肩がこると、頭痛もひどくなる」
このような症状でお困りではないでしょうか。
緊張型頭痛は、一次性頭痛(ほかの病気が原因ではない頭痛)の中で最も頻度の高い頭痛です。典型的には、頭の両側や後頭部に「締め付けられる」「圧迫される」ような痛みが生じます。片頭痛と異なり、歩いたり階段を上ったりといった日常的な動作によって悪化しにくいことも特徴です。
緊張型頭痛が起こる背景には生活習慣が密接に関わっており、日常生活の工夫によって症状が軽減することが期待できます。今回は、緊張型頭痛の特徴と、ご自身で取り組める対策について解説します。
1.緊張型頭痛はなぜ起こる?
緊張型頭痛の原因は一つではなく、身体的・精神的なさまざまな要因が関係すると考えられています。
首や肩、頭の周囲の筋肉への負担
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用などで同じ姿勢が続くと、首や肩、頭の周囲の筋肉に負担がかかります。
特に、前かがみの姿勢や不自然な姿勢を長時間続けることは、首や肩の筋肉の緊張につながり、緊張型頭痛を悪化させる要因となります。
精神的なストレスや睡眠不足
仕事や人間関係などによる精神的ストレス、過労、睡眠不足なども頭痛に影響します。
特に頭痛が慢性化すると、筋肉の問題だけではなく、脳や神経系における「痛みの感じやすさ」の変化も関係すると考えられています。そのため、慢性的な緊張型頭痛では、単に肩こりをほぐすだけでは十分に改善しないこともあります。
2.日常生活でできる4つの対策
① 長時間同じ姿勢を続けない
デスクワークでは、定期的に姿勢を変えることが大切です。
1時間に一度程度は席を立ち、肩をすくめて力を抜く、肩甲骨をゆっくり動かす、首や肩を無理のない範囲で動かす、といった軽い運動を取り入れてみましょう。
特別な運動を長時間行うよりも、日常生活の中でこまめに体を動かすことが重要です。
② 首や肩を温める
入浴や蒸しタオルなどで首や肩を温めると、筋肉の緊張が和らぎ、症状が軽くなることがあります。反対に夏場にエアコンの冷気があたる場所で悪化することもありますので、首肩を冷やさない様にも注意しましょう。
③ 適度な運動と十分な休養を心がける
ウォーキングやストレッチなど、無理のない運動を習慣にすることもおすすめします。
また、睡眠不足や精神的ストレスが頭痛の頻度に影響していることもあります。運動だけでなく、睡眠時間や仕事中の休憩などを含め、生活全体を見直してみることが重要です。
④ 鎮痛薬の使いすぎに注意する
頭痛がつらいときには鎮痛薬を適切に使用することも必要です。一方で、頭痛薬を頻繁に使用している場合には注意が必要です。鎮痛薬などの急性期治療薬を長期間にわたり頻回に使用すると、「薬剤の使用過多による頭痛」を生じ、かえって頭痛が慢性化することがあります。
「頭痛薬を飲む日が増えてきた」「以前より薬が効きにくくなった」と感じる場合には、自己判断で薬を増やすのではなく、一度医療機関へご相談ください。目安として、週2回以上鎮痛薬が必要になっている方は、一度受診することをお勧めします。
3.セルフケアで改善しない場合には
緊張型頭痛の治療では、生活習慣や姿勢の見直し、適度な運動などが基本となります。それでも頭痛が頻繁に起こる場合や、仕事・家事など日常生活に支障が出ている場合には、医療機関での評価をおすすめします。
治療では、症状や頭痛の頻度に応じて鎮痛薬を適切に使用するほか、慢性緊張型頭痛では抗うつ薬などの予防薬を検討することがあります。また、症状に応じて筋弛緩薬や漢方薬などを使用する場合もあります。
緊張型頭痛は肩こりを伴うことが多いですが、肩こりがある🟰緊張型頭痛ではありません。
片頭痛の患者さんにも肩こりはよくみられます。また、頭痛の中には、脳血管障害をはじめとした別の病気が原因となっている「二次性頭痛」もあります。
頭痛の診療では、痛み方だけでなく、発症の仕方、持続時間、頻度、随伴症状、服用している薬などを総合的に確認して診断します。
頭痛が続く場合はご相談ください
緊張型頭痛は比較的よくみられる頭痛ですが、慢性化すると仕事や家事、睡眠など日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
また、ご本人が「緊張型頭痛だと思っていた」頭痛が、実際には片頭痛であったり、複数のタイプの頭痛が重なっていたりすることもあります。
頭痛が繰り返す、鎮痛薬を使う回数が増えている、これまでとは違う頭痛が出てきた、といった場合には、一度ご相談ください。